先週末はクローゼットを整理

私がクローゼットの服を片付けていると、家の神様が「断捨離してるの?」と。
私は「断捨離」と言う本を読んでいないので定義がよく分からないが、
ずいぶん前に着ていてここ数年一度も着ていないスーツやジャケットやセーターなどを処分した。

毎年、「着ないよな~」と思いながら処分できずにいた。
一番の理由は「買った時は高かった」である。

前の会社にいるときに買った物ばかりなので、
少なくとも3年以上は経過しているイタリアンブランドのスーツ4着、
レザーのジャケット2着、レザーパンツ3本、シャツとパンツ各3着。

その他、セーターなどなど。

「買った時は高かった」イタリアンブランド品を名古屋では名が知れた
「コメ兵」へでも売りに行こうかと家の神様に言ったら、
「2~3日前に近くの買取店の広告があったわよ」
「でも二束三文でしょ、高く売れても5千円がせいぜいよ」と・・・・。

広告を握りしめ、ハチキレそうなスポーツバッグを担いで人生初めての買取店へ!

店に入ると若くて可愛らしい女性店長!!
持ち込んだ服を見ながら
「スーツは上着とウエストと丈のバランスがあり、あまり高く買えないんですよ」
「良いものなので購入された時は高かったでしょうが、服は下落率が高いんで」
「安くてびっくりされないでくださいね、今日は参考に値段を聞くだけのつもりで」
などと矢継ぎ早にネガティブな言葉が投げかけられる。

これが若くなく、可愛らしくもない店長であれば値段を聞く前に店を出るところだが、
若くて可愛らしいために「安くても捨てるよりはまし」と思いとどまった。

女性店長は一通り見終わるとパソコンの前に行き何やら調べている様子。
聞いてみると「香港の店の在庫を見ている」「売価のリストを見ている」。

ブランド物は香港の店に来る中国人が買うそうだ。

こんなに若いのに価値を判別できるとは凄いなと感心しつつ、
「本当に分かるの」と思ったので質問してみた。

「この中で一番高額な服はどーれだ」
店長は即座に「ベージュのラムのレザージャケットです」・・・恐れ入りました。

そんな会話を楽しんでいると、
店長が動画を撮りたくなるくらいの猛スピードで電卓を弾きだした。

そして紙に記入してこちらに来る。
「ベージュのラムのレザージャケットはもう少し高くとりたかったのですが」
と言いながらおもむろに紙を差し出した。
9千円?いや9万円。

家の神様への言葉を考えながら車に乗り込み走り出したとき、
「もう一声」と言っていないことに気付いた!

若くて可愛らしい女性店長はそれだけではなかった。

巧妙でネガティブ、繰り返しの前振りで、
家の神様が言っていた「高く売れても5千円がせいぜいよ」が心の中でこだまし、
店長の手の上で転がされた。

これが若くなく、可愛らしくもない店長だったら・・・・・・