指導をうけることとなる方との面会。
この面会はそれまでで最も緊張した面会・面接の一つで、
相手は、会社の過去からの経緯、現状も承知の上で面会するわけで、
もし断られたら”私自身に問題がある”ことは明白で、”ダメ出し”どころか、
この場に及んで”ダメ押し”をもらうことになるから、いやな緊張感があった。
何を話したかよく覚えていないが、とにかく懸命に思いを訴えた記憶はある。
「よし、わかった」「ものすごいエネルギーが必要だぞ」
といわれたことを覚えている。
とにかく引き受けてもらったことで土俵際で自分自信を持ちこたえたと言うか、
なんとか”二つの意味で延命できた”と思った。

この件を、当時の副社長にどの程度相談していたのかは覚えていない。
結構、独断で進めていたのではと思う。
この種の決定をする時は、必ず既得権益を守る的な思考が働くので、
信頼できる人間にも決めるまで言わない方が良いと思ったからである。
ただ、そのことが本当に良かったかどうかと言う問題はあり、
その後の、私・副社長・顧問の関係において”ズレ”が生じ、
改革のスピードが遅れた事実がある。
この辺については、企業の改革において、成功するか、
それを持続・継続できるかに大きな影響を及ぼすと考えるので別途語りたい。

顧問は本当にすごい人で、
会社に来て発言する全ての言葉に”意味”を込め、
”同じフレーズ”を繰り返し話された。
おかげでいくつかの”フレーズ”が頭にやき付、
今の仕事にとって最も重要な思考の基礎になっている。
その時は気づいていなかったが、今、思い返すと「凄い」の一言である。

更に、会社の財務状況とご本人が定年後というこもあったのだが、
「交通費はかかるから」と言われ、本当に交通費程度で指導いただき、
その上「出し惜しみはしないよ」の言葉。
振り返ると本当に「出し惜しみ」なく教えていただいた。

つづく