前回のつづき
インドローカルのジレンマは、仕事が目の前にぶら下がっていて、
手を伸ばせば確実に受注できる状態であるにも関わらず、
現状フル操業で新規受注には設備投資がついて回る。そのため新たな資金の確保、
技術者やオペレーターの不足などの事情により躊躇せざるを得ない。
一番の悩みは資金であろう。
本来なら詳細に増分原価を検討しながら緻密な計画をたて設備投資をするところであるが、
このローカルダイカストメーカーは雑な計画で20台を越える増設に踏み切るようだ。
借入ができれば、という大前提のもと。

一気に増設する意味は確かにあり、実行する度胸は認めるが、
過去10年の状況と違い緻密な計画なしでは、無謀な賭けにしかならない。

彼らが今後どうするのかを注視するが、日本と比較してまだまだ濡れ雑巾どころか、
バケツ一杯の水の中に浸かっている雑巾を持ち上げた状態。、
まだまだ絞る余地がたくさんある状況なので、
現状の売上・設備でも、キャパシティの増加や、合理化による利益向上は十分可能で、
それを実施しながら無理のない設備投資で安定的に成長できる道はある。
しかし彼らにその技術、思考は無いようだ。

日本のジレンマはなにか、
日本の中小鋳造メーカーは一部を除いて仕事の絶対量が足りない。
絶対量が足りないから今までの投資資金の返済で手一杯で、
新たな投資は減価償却費の範囲内と言うレベル。これでは思い切った投資はできない。

国外へ出るべきとは分かっていても、物心両面で二の足を踏む。
心の部分はなんとかクリアできても、長年のコストダウンやリーマンショックで
財務が疲弊し、助成金なしには事業計画が成り立たないところまできているのではないか。
銀行も今の状況では、容易には貸し出さないであろう。
日本の地で商売を続けるのであれば、ライバルを見ることも大切であろうが、
まずは自らを客観的に見る、もしくは見てもらい、やり残していることがないか見直すことであろう。

優秀な経営者が経営しているとしても、渦中にいて、日々の仕事に追われながら、
ストレス自体に悩み、ストレスの解消にも労力をつかっている状態にあれば、
見逃していること、やり残していることがあるのではないか、
自分自身振り返って、見逃したり、やり残したり、一番はもっと深く研究・探求していれば、
もっと上手くできたと強く感じているからこそ、今の経営者の皆さんに見直して欲しいと思う。

インドローカルの現状から将来を考えると、難易度の低い製品の海外移転は進み、
鋳造、ダイカストにおいて日本で現在の雇用をすべて維持していくのは困難ではあるが、
海外との技術力の差を更に広げ、
日本人の優秀なところを更にのばすことにより道は拓けるのではと思いたい。

脈略のない文章になってしまったような・・・。

25~26日は2年に1度のダイカスト会議・展示会のため横浜に行きます。
何かヒントがあればいいな!