ダイカストをしている二つの事業所を見学した。
どちらも設備のごく一部しか稼動しておらず寂しくて、つらい状況であった。
一方の事業所は、新しいタイプの消耗品を使い、独自の歩留まり向上対策を実施し、
バリ取り工程の機械化・自動化を図り1個流しで生産するなど、工程全体を見直し改善され、
もう一方はシンプルな設備とシンプルな鋳造法で上手”に”生産されていた。
こちらの事業所は塗装設備も保有している為、生産品は勿論、塗装のみの仕事もされていた。
双方とも仕事量が不足している中、それぞれ色々な工夫をしたり、
特徴を生かして操業されていて、真摯に難局に挑まれている姿に感銘した。
良い技術でつくられた、良い製品が適正な価格で販売され、それが受け入れられ、
日本が繁栄し国民が幸福にならなければ・・・。
競争という名目で、
安くつくらせ、安く買い、安く売ることだけに必死になり、
安価につくれる国、たくさん売れる国へ移動して、行く先には何があるのでしょうか?
日本人は外国の高級ブランドといわれるものを買いあさっている。
日本の技術は商品の品質レベルで証明されているように世界最高水準であるのに、
日本のブランドはフランスやドイツ、イタリアのブランドの様にはなり得ないのでしょうか?
日本が自信や誇りをもって、行き先をはっきりさせて思案、行動すれば、
安売りしなくても売れるブランドができるのではないでしょうか?
「やってみれば案外簡単に達成できるような気がする」なんて言うと、
「甘い」と一蹴されてしまうでしょうか?
このまま進んでも大企業の社員の雇用は守れても、中小企業の雇用は守られない。
会社の規模で”大”企業というだけで、
日本全体の雇用者数で言えば”極小”企業である。
そういう私も、大企業からも仕事をいただき生活している極小企業である・・・。