made in Indiaの消耗品や設備の廉価さや、自動化にからめてインドの低コストについては以前記述した。
その中には当然安価な人件費も含まれ、
少々荒っぽいが、イメージとしては日本のダイカストメーカーの自動化を、
5~10倍の人手をかけて生産していると言う雰囲気。
自動化の設備償却費VS人件費、固定費VS変動費という単純な話ではないけれど・・・。
日本の場合は一昔前までは製品コストに占める材料費は30%程度であったものが、
毎年毎年のコストダウンを合理化によって吸収してきたことで、現在の材料費は50%近くになっている。
相対的にコストの中の人件費率が下がっていると考える。
日本で生産する以上、いくら再生塊とはいえアルミ材料と燃料は輸入に頼らざる得ないので、
材料費を合理化により低下させることは困難。
人件費率の低下から合理化効果の果実を得られ難くなっている。
単純な設備に頼った自動化は償却費増になり、固定費上昇につながる・・・。
当たり前なことであるが、経営者はそのバランスを考えながら最適な投資、方策、合理化を進める。
インドはボーキサイトを産出しており、
2009年の資料によると地金生産量と消費量がともに148万㌧。
自国生産分は自前で供給していることになり、
この差が日本がインドとコスト面で対抗する際の最大の問題であると思う。
インドでインドローカルが実際どのくらいの価格で、
アルミ2次合金を購入しているかの正確な数字は持っていないが、
入手した情報から鑑みると日本での価格の30%レスくらいではないかと考える。
このことについての情報があれば是非いただきたい!!!
一般的に人件費だけに目が行きがちであるが、
アルミ材料、設備、消耗品などの廉価さに注目し、視点を変えて見る事は、
今後の日本の中小ダイカストメーカーが進む道を選ぶ、一つの要素であると考えるしだい。
次回のインド出張時はその辺を更に調査し、考えていることが実行できるかを探ってきます。
前にも同様な記述はしたが、日本での生産にこだわり続けるのであれば、
一つの方法として、日本の高い技術により、シンプルに高品質の製品をつくることを目指す。
技術をもって廉価な設備、単純・簡単な工程、工法で生産する道を更に探ることが肝要ではないでしょうか?
一例として。
インドローカルダイカストメーカーでの技術支援では、
日本で特殊冷却、金型温調、バキュームなどを駆使して生産されている製品を、
インドでは普通冷却、金型温調なし、チルベントのみで目標歩留まりを達成させた。
これを日本で実施すれば、金型費、金型にまつわる保全費及びランニングコストの削減や、
真空バルブなどのトラブルの悩みから開放され生産性向上につながると思うのです。