最近「前の会社にいるときに、今やっていることをしていればもっと会社に貢献できた」
と思うことが多くなってきた。

アルミニウムに限らず鋳造に関わったことがある人には分かっていただけると思うが、
切削加工などと違って数値化が難しく、カンコツに頼っている部分が多いのが現実であった。

私も3年前までは多くの失敗をしてきた。
試作段階での検討の甘さ、量産に入ってからは目の前の納期ばかりが気になり、
場当たり的な、ネズミたたきのような対応をして、
傷口を広げ、客先ラインストップ寸前まで追い込まれたことも一度ではない。

鋳造品の不具合対策は病気の治療と似ている。客先、特に外国人には医療を例にして話すことがある。

まったくの新規立上げは別としても、技術支援、技術コンサル、経営コンサルも含め、
医療に例えるとセカンドオピニオンとう考え方で良いのではと考えるようになっている。

私のお客さんになりうる企業はそれを生業としているプロである。
よってそれなりの自己診察をして診断し処置処方している。
しかし完治しなかったり、よくなってもぶり返したり、再発したりしてしまう。
事態を打開する為に、経営者がセカンドオピニオンを求める。

求めに対して、客観的に、異なった視点で診察し、経験をもとに、合理的で、効果的な処置処方を提示する。
加えて重要なのが将来にわたり自分達の力で予防し治療できるようストーリー創りの手伝いをする。
その際に過去の多くの失敗とチャレンジが役に立つ。

わたしはこのストーリー創りが大切と考えている。
起承転結・PDCAなど表現は何でもいいが、やはり自分達で物語を創り、語れるようになれば、
保有している技術の点が線に、線が面に、面が・・・・。
それには全てを関連付けて考えるなど、従来にはない視点で観察して考えなければならない。
でもそこまで行けば「固有の技術」といえるような技術を持つことができる。

近頃、良いストーリーが描けるようになってきた。
「前の会社にいるときに、もっと良いストーリーが描けていればばもっと会社に貢献できた」と思う・・・。
過去を嘆いても時間は戻らない。現在、将来に関わる会社に貢献することで役に立とう。

どんな仕事でも「考えつくす・やり尽くす」ことが道を拓くことにつながる。
言うは易く行なうは難しであるが、鋳造技術のブレークスルーを目指し
若い技術者の方!
考えつくして、やり尽くし、一緒にやり抜きましょう!!!